金は、世界で始めて貴金属として扱われ、人類は装飾品として、その輝きに魅了され続けてきました。
その歴史は紀元前にまで遡るため、既に何千年もの歴史を誇ります。
歴史上、最古のものでは、古代シュメール人が紀元前6000年頃、金装飾を用いていたと言われています。
最古の金属貨幣は紀元前7~6世紀(メソポタミア時代)に小アジア(現在のトルコ)にあった王国、リディアでつくられたエレクトロン貨で、天然の金銀合金に動物や人物を刻印されています。
エレクトロン貨
古代エジプトでは、輝く金を太陽の象徴として、宗教的な意味合いのある高価で尊いものとして利用されていました。
王の金の棺や、ツタンカーメーン王の黄金のマスクなどのように、金は当時の権力の象徴だったのです。
東洋においても、金は貴重な鉱物という認識は共通で、中国では、商(殷)時代には主に装飾品として使われ、春秋戦国時代には貨幣や象嵌材料として使用されました。
金は、絶対的に産出量が少ないというその希少性に加えて、化学的にも非常に安定性が高く、反応性が低いため、装飾品として利用した場合、金属アレルギーを起こしにくいという特徴があります。
このような理由から、洋の東西を問わず古代より珍重されてきたのです。