18世紀までは、稀少性や保存性に優れていた銀や金がお金の役割をしていました。
しかし、この当時、銀の産出量が増えたため、銀の価値は大暴落することとなります。
その結果、金は最も価値のある金属と考えられ、通貨制度の基準とされました。
1816年、イギリスの貨幣法でソブリン金貨(1817)の発行により、金貨に自由鋳造、自由融解を認め、1ポンドとして流通させたのが金本位制のはじまりだと言われています。
その後、ヨーロッパ各国が次々と追随し、19世紀末には、金本位制は国際的に確立されていくことになります。
そして、イギリスでは、1844年には兌換紙幣を発行するようになりました。
兌換紙幣とは、イングランド銀行が金と交換を行う、ポンド表示の紙幣のことを指します。
イギリスのポンドを中心とする金本位制は、第一次世界大戦前の1914年まで(約1世紀間)続きました。
しかし、各国は、第一次世界大戦によって増大した対外支払のために、政府への金貨の集中が必要となり、金の輸出を禁止、通貨の金兌換を停止せざるをえなくなりました。
20世紀初頭には、ドルの価値及び信用は、すべて金によって裏付けされ、ドルと金価格は完全に固定化さました。
その後、1929年に世界大恐慌が起こった事により、多くの国が金本位制を離脱し、金の保有量とは関係なく通貨を発行する管理通貨制度に移行しました。
一方、アメリカは金本位制を維持し続けたため、他国は輸出を伸ばし輸入を制限し為替レートを切り下げ、ブロック経済の対立を引き起こし、第二次世界大戦の大きな要因となりました。
金の歴史 現代
第二次世界大戦後、米ドル金為替本位制を中心としたIMF体制(いわゆるブレトン・ウッズ体制)が創設されました。
他国経済が疲弊する中、アメリカは世界一の金保有量を誇っていたため、各国は米ドルとの固定為替相場制を介し、間接的に金と結びつく形で金本位制となったのです。
1971年8月15日の金と米ドルの交換停止の宣言(ニクソン・ショック)により、金本位制度はその役目を終え、それ以降は変動為替相場制に移行することになります。