金相場とは、金取引相場のことで、ロンドン、香港、チューリッヒ、ニューヨークを4大金市場とした、世界市場で取引されています。
日本では、東京工業品取引所にて取引がされています。
証券市場が右肩上がりで経済の調子が良い時は、株や債権などで得た利益を資金として、さらに株式市場が活況を呈すことになります。
しかし、逆に経済情勢が不況に陥った場合は、紙切れとなるなるリスクがある株や債権から資金が引き上げられ、現物資産としてそれ自体に価値がある金相場へ資金が流れることになります。
このように、金相場は、一般的に株や債権とは逆の値動きをする場合が多いという点が特徴です。
金相場で分散投資を行うことは、株や債券に比べ、現物が手元に残るという点で、リスクが少ないというメリットがあるのです。
金現物と金先物について
金相場には、金現物と金先物があります。
金の現物取引の中心はロコ・ロンドン市場であり、金先物取引の中心は、ニューヨークのCOMEX市場となっています。
金現物取引とは
金現物取引とは、一定重量サイズの金地金または金貨の現物を、その日の価格で購入または売却する取引です。
購入、売却どちらの場合でも、現金決済が原則で、金地金または金貨と現金をその場で交換します。
地金は、実際に金の塊を一キロ単位で取引しています。
ただし、これらは金の塊にするのに、加工量などが必要になるため、それが金価格にも影響することになります。
金を1キロ取引するには、およそ300万円ほどの資金が必要となります。
金現物は、株などと違い現物資産のため、紙くずになることはありませんし、保有に関して固定資産税のような税金がかかることもありません。
また、買った時より安い価格で売却をしない限り、損失が発生することもありません。
このように、長期保有が可能なため、長期投資に向いた資産であるといえます。
金先物取引とは
これに対し、金先物取引は、必ず金地金や金貨と現金をその場で交換するわけではありません。
先物と名の付くように、先々の価格変動を予想して、上がると思えば購入注文し、下がると思えば売却注文する取引です。
一定期間に、予想通りに価格が推移すれば利益が上がりますが、予想に反した価格の推移が起きれば損失が発生することになります。
先物取引では、価格の上下に関わらず、一定期間内に反対売買を行って手仕舞う(決済)のが基本です。
金先物は、金現物取引とは違い、委託証拠金を積んで、少ない投資金額(総取引金額の5~10%)で大きな利益を得ようとする取引です。
また、期限付きの取引のため、価格が上がっていようが下がっていようが、一定期間内に手仕舞わなければいけません。
そのため、上手く行けば、大きな利益を上げることが出来ますが、失敗した場合は大きな損失を被ることになるのです。